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新たな取り組み

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ー 反毛 / ハンモウ ー

最近はエシカル、エコ、リサイクル、サスティナビリティなど耳にすることが多くなってきました。

オーガニック素材やリサイクルコットンなどを今まで使ってきましたがそんな中で今までとは違うリサイクルの話もできてきました。

 

今まで私たちが使ってきたリサイクルコットンは紡績段階のコーマ落ちのワタを使って再利用するものでした。

ちょっとしたムラ感のある糸という認識でカジュアルのお客様には定番になっていますが、正式にはこれは同じ工場内で行うリユースということになります。

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そんな中、近年出てきたのはこの反毛(ハンモウ)という言葉です。

使わなくなった製品や裁断くずをもう一度切り刻んで糸にするという方法です。

ウールの世界では"毛七(KESHICHI)"として、かなり一般的でずっと使われてきたのですが、綿を扱う私たちにとってはあまり使うこともなかったように思います。

数年にイタリアの紡績に行ったときにはすでに取り組みが始まっていて、バングラデシュから廃棄された製品を買って細かくし、そこに新しいワタ(バージンコットン)を入れて作っていました。

通常、杢糸(ワタに色のついた糸)って、生産の管理がとても大変なのです。

バージンコットンと呼ばれる新しいワタを使っても生産毎の色合わせがとても難しい。

ましてや廃棄された製品を使うとなると、製品の素材、色、付属の処理等…

まさに気の遠くなるような労力です。

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普通なら、めんどくさいし大変だからやらない。

でもこうしてその大変さを乗り越えてリサイクルの新しい形が生まれている。

 

わたしたちにできることは何だろう。

FCとハンモウの物語のスタートです。

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ー 反毛2 / ハンモウ2 ー

​ハンモウの糸を作るときに、ハンモウ原料がどこでできているか?というのはとても重要です。FCでは、その糸を作るにあたってオーガニックの背景があるかどうかも重要視するポイントの1つです。

 

なにを開発するのもそうですが、安定した品質を一番に考えます。

ハンモウの場合リサイクルの原料を使うわけですから特に注意が必要です。

原料がどこでできているのか?裁断くずを使うのか?製品を回収するのか?

色々と課題も多いです。

杢糸と呼ばれる色のついた糸は特に、色が混ざらないように、また均一な色となるように管理する大変な労力が必要です。

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日本国内の紡績の場合

  • 課題1.製品を回収してワタにして糸にすることは可能、薄い杢糸しかできない。

  • 課題2.製品を回収してワタにして持っているところと合わせて杢にすることが可能

  • 課題3LOT感の色調整が難しい。

その反対トレーサビリティがしっかりしているという大きなアドバンテージもあります。

生成もいいけれど、杢色の展開にこだわりたい。

こういった経緯で海外に目を向けました。

イタリアやスペインには杢糸の工場があり、カラー杢の文化が根付いているので色目を合わせることがうまいです。

今回紡績をお願いしたスペインの工場では、ヨーロッパの裁断くずを回収してワタの状態にし糸にする技術がある。もちろんロット間のブレはありますが、それでも今の日本の技術と比較すると格段に上です。

ハンモウ原料だけで糸は紡げないので、バージンコットンをまぜるのですが、この材料にオーガニックコットンが使用できるというのは大きな魅力でした。

(杢糸を作るための染綿もオーガニックという徹底ぶり、素晴らしいです)

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こうして調査を重ねてスペインの紡績と組んで日本での生地販売を始めました。

中国の場合、そのトレサビリティはどこまで本当なのかも判断がつかないことから取り組みは断念しました。

実際、一昨年オーガニック偽問題で他社が苦しんでいるのが発覚しましたし、新疆綿の問題も平行線状態あるため販売は危険と感じました。

 

そういう観点からも、スペインのハンモウはかなり信頼性があると判断しています。

(実際工場も見学し、ワタの管理/紡績の技術/飛び込みの問題などを自分の目で確かめることができたのですが、非常に安心感があります。)

一方、生成に関しては国内で長年の信頼関係がある紡績が愛知県のハンモウ工場と組んでハンモウ原料を使った紡績ができるということで原料の工場の視察からスタートしました。

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トレーサビリティが謳えるサプライチェーンを作ることは難しいのですが(生成りは特に難しい)今後続けていけるように考えています。

そして私たちはこの糸を心躍るようなファッション性ある生地に仕上げ消費者に想いを届けたいと思っています。

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