反毛 ーはんもうー

反毛工場の倉庫。出荷待ちの反毛が綺麗に置かれている。

反毛工場のおおよそ十数工程ある中のうちの1工程。たいへんな手間がかかります。

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反毛工場の倉庫。出荷待ちの反毛が綺麗に置かれている。
反毛 ーはんもうー
最近はエシカル、エコ、リサイクル、サスティナビリティなど耳にすることが多くなってきました。オーガニック素材やリサイクルコットンなどを今まで使ってきましたがそんな中で今までとは違うリサイクルの話もできてきました。
今まで私たちが使ってきたリサイクルコットンは紡績段階のコーマ落ちのワタを使って再利用するものでした。
ちょっとしたムラ感のある糸という認識でカジュアルのお客様には定番になっていますが、正式にはこれは同じ工場内で行うリユースということになります。
そんな中、近年出てきたのはこの反毛(ハンモウ)という言葉です。
使わなくなった製品や裁断くずをもう一度切り刻んで糸にするということです。
ウールの世界ではかなり一般的でずっと使われてきたのですが綿を扱う私たちにとってはあまり使うこともなかったように思います。
2年ぐらい前にイタリアの某紡績に行ったときにはバングラデシュから製品のくずを買って細かくし、そこに新しいワタ(バージンコットン)を入れて作っていました。
デメリットは白が難しいことかな。もちろん杢糸でした。
国内でもこういった取り組みをしている工場はあるのです。
去年インドに行った時も裁断くずを使った試みを始めているということで糸を作って帰ってきました。もうすぐ生地になるところです。
エコの風が・・・・でも、まだまだ日本では認知されていないです(笑
反毛 2 ーはんもう 2ー
この20年、今までのリサイクルヤーンは紡績の段階、コーマ工程でのコーマ落ちのワタを工場内で再利用したものでした。
SDGSやサスティナブルの世の中の流れで数年前から製品在庫や糸くず、生機、生地などの使わなくなったものを回収しワタ状に戻し再度紡績するもののことをリサイクルヤーンと意味するようになりました。
ウールなどの世界では昔から“毛七(KESHICHI)”などの言い方で古着や裁断くずを再利用
カーペットやいろんなものに作り直されていましたが最近ではコットンなどをリサイクルする流れが主流になりつつあります。
数年前、イタリアの紡績工場を見学したときにバングラデシュなどから製品クズを回収しカラー杢のトップ糸を作っていました。現在イタリアやスペインなどにこういったハンモウを活かした紡績工場が存在します。
今、私たちは日本国内でハンモウを使って生地にするシステムを作るために工場を回りました。トレサビリティが謳えるサプライチェーンを作ることは難しいのですが(生成りは特に難しい)今後続けていけるように考えています。
そして私たちはこの糸が心躍るようなファッション性ある生地に仕上げ消費者に思いを届けたいと思っています。
エコ、エシカルはもちろんですが、それだけではなく、着心地の良い服を届けていけたらと思います。